今年の漢字は『偽』・・・・森清範(せいはん)貫主

 今年の世相を表す漢字は「偽」――。日本漢字能力検定協会(本部・京都市下京区)が全国から公募した「今年の漢字」が12日、清水寺(同市東山区)で発表された。森清範(せいはん)貫主が、縦1.5メートル、横1.3メートルの巨大な和紙に太い筆で一気に「偽」の字を書いた。



 森貫主は「このような字が選ばれることは恥ずかしく、悲憤にたえない」と話されていたが、本当だ。2004年から『災』、『愛』、『命』と来ているが、今年が『偽』とは胸を張って自慢できる年ではない。信頼していたものから相次いで「偽装」が発覚、ひき肉、赤福船場吉兆年金記録問題、偽装請負と庶民の回りに『偽』が蔓延っている。


 森師が管長を務める清水寺の本尊は、十一面千手観音である。観音は三十三身に姿を変え、衆生を救い導くといわれるそうだが、早く『偽』を払拭し、よい年を迎えたいものである。