瀬島龍三氏死去 

 大本営参謀から大手商社会長、中曽根康弘元首相のブレーンとして行政改革にもらつ腕を振るうなど、戦後の政財界で隠然たる影響力を発揮した元伊藤忠商事会長の瀬島龍三(せじま・りゅうぞう)氏が四日午前零時五十五分、老衰のため東京都内の自宅で死去した。九十五歳。富山県小矢部市出身。葬儀・告別式は近親者で執り行う。喪主は長女繁代(しげよ)さん。伊藤忠商事亜細亜大学が合同葬を開くが、日程などは未定。


 中曽根元総理曰く、今の総理には瀬島龍三氏のような頭の切れる人はいないと嘆いていたが、中曽根氏も彼に相当助けられたようだ。11年間シベリアに抑留された苦労は言語に置き換えることは出来ないけれども、あの当時は金で人を動かす時代ではなかった。腐った政治家は金の尺度で人を測るようになって来たことに腹を立てるのであるが、日本の文化と言うか信念を押し通すような熱い心意気は、「日本のよふけ」で語っているが、瀬島氏が日本の若者に向けたメッセージは純朴で嘘は無い。


 日本人としてこんな先輩が我が国を築いてくれたのかと思えば、美しい国のイメージは変わるのであろう。ご冥福をお祈りします。