毛髪醤油

2007年6月30日、中国の食品監督部門が行なった一斉調査で、180か所の食品加工工場に重大な違法行為があったとして、工場閉鎖命令が出された、と海外メディアが報道した。そして香港の食品分析機関によると、ある工場では大豆の代わりに人間の頭髪を使って醤油を生産していたという。


 中国で現在出回っている醤油の中には何と頭髪を原料としたものが含まれているそうである。もともと醤油の原料はアミノ酸で、毛髪と同じだから製造は可能だ。しかし毛髪には鉛をはじめとする有害な重金属が含まれているから、中国醤油は怖いわけである。

 「食の安全」ということに関して、中国という国はあまり真剣に考えていない。自分の利益ばかりを追求する利己主義的国家は、業者との癒着や賄賂なんて事に罪悪感は無い。食肉偽装のミートホープ田中稔社長(68)なんかはまだ良心的に見えてくるから、中国に比べれば日本は安全だ。中国の経済発展は目を見張るものがあるが、そんなダイナミズムの中で「信頼」という言葉はまだ生まれないのであろう。

 そういえば、日本でも戦中戦後の物資不足の時には代用醤油として毛髪醤油作っていたというが、そんな事日本の醤油メーカーは口が避けても言わないから、事実は闇の中である。

 だんだん薄くなる自分の頭髪を眺めて、頭髪もバイオエネルギーにならないのか、有鉛ガソリンに代用できないのかという、発想をしてしまう。しかし、頭に置いた手に感じる髪量はばかなことを考えず、国内産大豆使用の醤油を買おうなんて所に行きつくのである。