上海鉄道局幹部3人を解任−中国、高速列車追突事故で

 【北京】中国政府当局は24日、浙江省温州市で前日夜発生した高速鉄道の列車衝突事故について調査を開始するとともに、鉄道当局者3人を解任した。事故を受けて中国の誇る高速鉄道システムについて安全面での懸念が高まっている。 
事故は停車していた列車に後続の列車が追突したもので、後続列車の4両が脱線して陸橋から転落。少なくとも43人が死亡、200人以上が負傷した。鉄道省は24日、落雷の結果、先行の列車が動力を失ったとみられるが、原因はなお調査中だとしている。
 同省は同日夜、中国東部の大半を管理している上海鉄道局の局長、副局長、共産党書記を解任したと発表した。具体的な解任の理由は明らかでないが、事故について聴取されるとしている。
 事故に関する政府当局の当初の説明では、依然として幾つかの重要な問題が不透明なままだ。例えば先行の列車が故障したにもかかわらず、なぜ後続の列車が進行を許されたのかといった問題だ。最近の鉄道システムでは、こうした事故を予防するため、安全措置が作用するのが通例だ。
 中国の高速鉄道システムは最近、故障など一連の問題が相次いでいた。中国は推定3000億ドル(約23.5兆円)近くを投入して世界最大の高速鉄道網を構築。さらに2020年までに1万6000キロの鉄道を整備する計画だ。政府はこの事業を中国の急速な技術発展のシンボルと位置づけ、鉄道省は最近、中国の鉄道技術は有名な日本の新幹線よりも優れていると述べていた。
温家宝首相は、中国共産党の創立90周年を前に、先月末に挙行された北京・上海間の高速鉄道開通の開所式に出席していた。
 中国では、高速鉄道プロジェクトは都市間の移動時間を短縮すると支持する向きが多いが、無駄で費用が掛かりすぎるとの批判も根強く、料金が高価で一般市民は利用できないと不満を示していた。
 今年2月には、高速鉄道を推進していた劉志軍鉄道相が汚職捜査の対象になって解任された。後任の盛光祖鉄道相は拡張計画を縮小し、既存の事業に集中する方針を発表。料金を引き下げ、安全を重視して最高速度を当初の時速350キロ以上から300キロに制限すると発表していた。
 しかし今月には、開通したばかりの北京・上海間の高速鉄道の故障が相次ぎ、少なくとも3回停止している。 中国の高速鉄道用列車技術はその大半が過去10年間、川崎重工業、独シーメンス、仏アルストムなど外国車両メーカーから導入したものだ。
 しかし中国政府は、同国国営車両メーカーがこの技術を革新し、列車の速度をより高速にしたと述べていた。これに対して一部の鉄道専門家は事故が発生しやすくなり危険だと警告していた。こうした技術面での問題が今回の事故の一因になったかについては明らかでない。



  この事故も人災であろうか。原因を追究しようとしているのではなく、先頭車両(事故車両)を重機で埋めているという。なんという重要なサンプルを隠そうとするのか。

 写真を見ると大事故であることがわかるが、死者は35人とは、被害が小さい印象である。乗客が少なかったのかは分からないが、安全性が確立していない乗り物のようにも思うのである。日本の新幹線と比較するつもりはないが、原因の追究を真剣に行い是非とも開示して頂くことが、次の事故を食い止めることができると信じている。