壁新聞に想う

石巻日日新聞の手書き壁新聞を米博物館で展示へ

 東日本大震災で被災した「石巻日日新聞」(宮城県石巻市)が震災直後、フェルトペンの手書きで発行を続け避難所などに張り出した壁新聞を、米ワシントンの報道博物館「ニュージアム」が譲り受け、展示に加えることになった。同博物館が14日までに明らかにした。

 同紙は1912年創刊で、夕刊1万4000部を発行。武内宏之常務・報道部長(53)によると、停電と浸水で編集、印刷設備が使えなくなったが、無事だったロール紙を切り取り、社員が「日本最大級の地震・大津波」などの見出しで記事を書いた。

 被災した夜にろうそくの明かりの下で「ペンと紙があれば伝えられる。壁新聞で行こう」と話し合った。壁新聞は電気の復旧まで6日間、6か所に張り出された。

 これを米紙が報道し、博物館が寄贈を要請。武内部長は「地域のためできることをした。光栄との感慨はない」と戸惑いながら「私たちは地元密着の新聞。復興は長丁場になる。地域の人々と一緒に苦しみ、悩み、希望を見いだしたい」と話した。

 ニュージアムのクリストファーセン学芸員は「ジャーナリストたちは地域に欠かせない情報の提供に貢献した」と展示の意義を語った。(共同)


ジャーナリズムについていろんなことを思うのであるが、特に震災後情報の裏にあるものや、真実の伝え方に考えさせられる。必要な情報を本当に欲しがっている人に伝える難しさである。上記の壁新聞には、よそものには分らない本当に重要な情報を織り込んでいる。だから安心するのである。金では買えない安心が読めるのである。