拓郎 最後の全国ツアー開始

 一昨年、気管支炎などの体調不良で、ツアーを中断し、回復に専念していた吉田拓郎(63)が21日夜、名古屋市熱田区の名古屋センチュリーホールで、1年8カ月ぶりにステージに復帰。最後の全国ツアー「TAKURO YOSHIDA Have A Nice day LIVE 2009」の幕を開けた。

 拓郎にとって、2007年10月17日の愛知県瀬戸市文化センターの公演を最後にツアーを中断して以来のライブ出演となったが、力強い歌声で復活をアピール。エイベックス移籍後、初のアルバム「午前中に…」(4月15日発売)の収録曲を中心に、「ガンバラナイけどいいでしょう」など全22曲を熱唱し、3000人のファンを熱くした。

 拓郎はウクレレを片手に1人でステージに登場。「ずっと長い間、全国ツアーを続けてきましたが、もういいやっていうのが本音です。今日は穏やかな時間を過ごしていってください」と客席に語りかけると、万雷の拍手とともに「待ってたよ〜!!」と声が飛んだ。

 最後となるツアーについて拓郎は「広島から東京に出てきて、全国ツアーを回っているうちにずいぶん年をとっちゃいまして…。どこまで歌っていけばいいんだろうって思って…」と揺れる胸の内を吐露し、「僕、性格的にゆがんでてアマノジャクなんで、ほかの人がやってる全国ツアーはもういいかなって。名古屋だけで4日間やるとかね」と、ライブ活動への意欲には変化がないことを明かし、ファンを安心させた。

 拓郎は2003年に肺がんの摘出手術を成功させ、06年9月の「つま恋ライブ」で完全復活を果たしたが、07年6月にホームページで“うつ病”を告白。昨年8月にはラジオ番組で「09年のツアーをもって全国ツアーから撤退する」と話し、ファンを驚かせた。

 2月から実施したホームページの先行予約には約12万件の応募が殺到。「最後のツアー」の反響の大きさを実証した。このあと、東京国際フォーラム(7月4日)、福岡サンパレスホール(同14日)、静岡県つま恋エキジビションホール(同25日)など10カ所10公演で、約3万人を動員する予定。


「もういいや・・・」拓郎にとってわかりやすい言葉だ。


 今から38年前我輩が高校生の頃だ、TBSパックインミュージックのパーソナリティをしていた拓郎を思い出す。前任の北山修と後任の南こうせつの間をつとめた木曜日であった。熱気があり熱い語りは懐かしい、今の写真を見るとあの頃を捨てきれない気持ちも分かる様な気がするが、そんなところから「もういいや・・・」と吐きす気持ちも分からなくない。

 
 あの頃は、拓郎も若かったが俺も若かった。2部に控えるパーソナリティ「馬場こずえ」のトークも大好きだった。北山修吉田拓郎南こうせつ時代の寵児を後ろから見てきた馬場こずえの考え方は大好きであった。そして、彼女は拓郎のことを今どう語るのであろうと、ふと考えるのである。


 拓郎が63歳、細々とライブをやる姿も良いんじゃないかと思うのである。