忌野清志郎さん、密葬で“最後の歌声”

 がん性リンパ管症のため2日に死去した忌野清志郎さん(享年58)の葬儀が4日、都内葬儀場で営まれた。近親者のみの密葬で行われたが、ウルフルズトータス松本、女優・大竹しのぶらも参列。ファン100人以上も“ボス”との別れを惜しんだ。会場にはヒット曲が爆音でかけられ、最後は参列者が清志郎さんを囲んで代表曲「雨上がりの夜空に」を合唱。戒名はなく、位牌には「忌野清志郎」と記された。出棺の際には今年3月初旬に録音した幻の遺作「Oh!RADIO」が初披露された。「聴かせてくれ この世界に 愛と平和の歌を〜」と声を張り上げる、人生最後の歌声が、参列者の嗚咽を誘った。



いなくなると偉大である事がよく判る人であった。死んでから凡人がとやかく言ってもしょうがない。彼はもう、この世には居ないのである。


 今日の読売新聞12面に直木賞作家である角田光代さんが追悼文「忌野清志郎がいない」をよせている。


  その中に魯迅『故郷』のラストの一文から
「もともと地上に道はない。歩く人が多くなれば、それが道になるのだ」。道なき地上の先頭を、清志郎はいつも歩いていた。この人をすごいと思うのは、そのあとを歩くのが音楽にかかわる人ばかりではないからだ。  


 そうなんだろう、作家も俳優も写真家も老若男女も。「もう清志郎の声が聴けない、どうしよう」という叫ぶものの、答えは出ないののである。本名栗原清志(くりはら・きよし)が芸名を何にするか考えたときに、「この忌々しい奴〜」という漫画の台詞が、忌野清志郎のヒントになったと言われている。折しも享年58歳、いまいましい【忌々しい】という言葉を芸名にした男は沢山の人に愛され、惜しまれあの世へ旅立った。


 偉大な男 『忌野清志郎』 はもうこの世には居ないのである。