第85回箱根駅伝

 第85回東京箱根間往復大学駅伝は3日、東洋大が初の総合優勝を飾り、最優秀選手には山上りの5区で区間新記録をマークした東洋大の1年生エース、柏原竜二が選ばれた。

 柏原は5区の山上りで驚異の8人抜き。区間を1時間17分18秒で駆け抜け、“山の神”と呼ばれた今井正人トヨタ自動車九州)が順大時代に記録した区間記録1時間18分5秒を大幅に更新した。


 箱根駅伝のことを大げさにも「群雄割拠の戦国時代に突入」なんて耳にするのであるが、85回は見ごたえのある戦いが美しい富士山をバックにくりひろげられた。2日間の往路復路を勝ち得たのは、不祥事を乗越え一丸となって戦った東洋大であった。なんと言っても実力があったのは早稲田大学であったが、それをがむしゃらに勝ち抜く勢いが東洋大にはあった。


 佐藤尚監督代行が5区の柏原に指示したタイムは15分強、それを無視して14分台で突っ込む柏原は最後には早稲田との差4分58秒をひっくり返し往路優勝。復路でも勢いのある2年生を4人使い、食い下がる早稲田を突き放し復路優勝となった。


 どう考えてもすべてがうまくいった東洋大佐藤尚監督代行の作戦勝ちであった。しかしそれを現実化したのは1年生の柏原竜二であった。1年2年で支えるこのチームしばらくは東洋大の黄金期を迎えるのであろう。