教師殴り中2男子逮捕(朝霞署)

 教師2人を殴るなどしたとして、朝霞署は24日、傷害と暴行の疑いで和光市内の男子中学2年生(14)を逮捕した。

 調べによると、男子生徒は同日午前9時ごろ、同市立中学校の昇降口で、男性教諭(55)に禁止されているピアスをつけていたことを注意されて腹を立て、腹部を殴打。止めに入った別の男性教諭(42)の足に数回ひざげりして、顔に頭突きした疑い。教諭1人が顔などに軽いけが。男子生徒は犯行を認めているという。

この事件でTBSで土曜日放映のドラマ『ROOKIES』(ルーキーズ)を思い出してしまった。この物語は熱血教師・川藤幸一(佐藤隆太)が怠慢な日々を送る不良達(高校生)に、野球を通して夢を持つことの素晴らしさを教える物語である。子供たちに殴られても教えるという姿勢を崩さない川藤に子供たちが変わっていく。コミックストーリーながら熱いものを感じてしまうのである。


 しかし、最近教師が教え子を警察に突き出してしまう。ピアスが禁止されているのだから教師が生徒に注意するのはあたり前、それに対し腹をたて、暴力を振るったら即逮捕が正しいとは思わない。こういう問題を通して生徒と教師が向かい合う、大切なものが隠されているように思うのである。間に警察が入っても隠されたものは見つからない。


 世の中、権力を持つと横柄な態度の人も沢山いる、それに向かっていくような間違った正義感もないわけではない。そんな行き違いが大きな事件になってしまう時がある。こういう事件が起きたときにはマニュアルがあるのかどうかは知らないが、マニュアルどうりの対応だとすると非常に寂しい。「傷害」と「暴行」の疑いの中学生と殴られた教師の間の深い溝を考えると、『ROOKIES』の川藤のような教師も必要に感じるのである。