赤福偽装問題に思う




 老舗和菓子メーカー「赤福」(三重県伊勢市)の不正出荷問題で、「まき直し」や「先付け」など製造日を改ざんした商品の売上率や返品率などが同社の取締役会に報告されていた。


 同じ三重県人として老舗和菓子メーカー「赤福」を信用していた。特に前社長の浜田益嗣氏の「おかげ横丁」の立ち上げなどは三重県の観光名所を再発見させてくれ、年間350万人観光客を伊勢に集め、国土交通省の「観光カリスマ」に選ばれる三重県の功労者にふさわしいと思っていた。赤福の以前のHPでも書いてあったが、「日本一滞在時間の短い観光地」から、また来たいと思う「心のふるさと」へというリピーターを作ったのも益嗣氏である。三重県知事の○○氏より功績は大きいと信じていたのである。


 「赤福」ならば信用できるだろうと、関連会社の伊勢萬の焼酎「ステラ」や「光年」は愛飲していたのし、マスヤのおにぎり煎餅も大好きであった。赤福本店の朔日餅は日の出前から並んで購入したのが懐かしい。赤福本店ではつり銭はすべて新札及び新硬貨という徹底ぶりで、五十鈴川で禊(みそぎ)を受けたような気分に浸った時もあった。


 しかし、どんどん出てくる赤福偽装問題で「赤福」という商品イメージは地に落ちてしまった。内容は4点違反容疑は下記

  • まき直し

1.売れ残った製品の包装紙を新たなものに包み替え、消費期限を再設定する行為
2.未出荷の製品を冷凍、最大2週間後に解凍し新しい消費期限をつけて出荷(JAS法違反)
3.売れ残りを回収し、冷凍・解凍して再出荷(食品衛生法違反)
4.売れ残りを冷解凍せず再出荷(食品衛生法違反)

  • 先付け

包装紙にあらかじめ製造翌日以降を製造日として刻印し、消費期限を先延ばし(JAS法違反、食品衛生法違反の疑い)

  • むきもち、むきあん

消費期限切れの餅を再利用して製造(食品衛生法違反の疑い)。むきもちは赤福餅の原料として再利用し、むきあんは「和菓子の万寿や」に販売

  • 不正確な原料表示

トレハロースなど糖類加工品の使用を非表示(JAS法違反)。一時期、中国産の小豆やカリフォルニア米粉を非表示で使用


 会社の信頼が崩れ去ってしまったが、赤福再開を望む声は大きい。赤福餅が店頭から姿を消し、代わりに類似品の「お福餅」が飛ぶように売れているという。兎に角、膿は全て出しつくし生まれ変わって欲しいと思っている。
赤福」の名は「赤心慶福」(せきしんけいふく)に由来する。これは、まごころ(赤心)をつくすことで素直に他人の幸せを喜ぶことが出来る(慶福)という意味だそうだが、経営者はもう一度代々受け継いできた赤福という名前を真剣に受け止め出直して欲しい。

追記:社員、契約社員、パートまで(雇用を)保証しすると会社は言っているが、早くしないと会社の存続が心配になってくる。